読売新聞(2003.11.25)
わいせつ教師
免職 最悪 98人
昨年度、本社調査

 全国の公立学校で、児童一・生徒などに対する「わいせつ行為一で懲戒免職になった教職員は昨年度、九十八人に上っていたことが読売新聞社の調査でわかった。文部科学省の統計と比べると、一九九二年度以降で最も多くなっている。大半の自治体ではわいせつ行為に対する処分基準を設けておらず、免職より軽い停職などに処分した教職員の現場復帰を認めている自治体が半数以上に及んでいることも初めて判明した。
 調査は四十七都道府県と十三政令市を対象に、わいせつ行為で懲戒(免職、停職、減給、戒告)を受けた教職員や、その処分基準の有無などについて尋ねた。文科省調査と同じく、痴漢などのほか、セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)による処分も含めた。

 それによると、二〇〇二年度に懲戒処分を受けた教職員は百三十九人(非公開の広島市を除く)で、このうち免職は九十八人。残る四十一人は停職、減給、戒告となった。
今年度も十月末までの七か月間に七十五人が懲戒処分となり、五十三人が免職になっている。毎年暮れに公表される文科省の前年度統計では、過去十年間で最も免職が多かったのは二〇〇〇年度の七十一人。二CO一年度の免職は五十三人だった。 一方、わいせつ行為に関する処分基準があるのは、東京、岩手、福井、大分など十四自治体で、「児童・生徒に対するわいせつ行為は免職などと明記している。しかし、大半の自治体では過去の事例を参考に処分を決定する」などとしており、処分基準がなかった。

 また、停職以下の処分を受けた教職員の処遇について、三十四の自治体が「処分が済めば、現場復帰はあり得る」と回答。このうち復帰前に研修を課しているのは、東京、長野など十自治体だけで、それ以外では、そのまま現場に戻っていることになる。文科省初等中等教育企画課は、懲戒免職になる教諭が増えていることについて、一処分の厳格化によるものか、問題教師が増えているためか、理由は定かではないが、憂慮すべき事態だ」としている。