日経新聞(2002.2.1)より

   4月から学校週5日制   文科省調査
     中高生『土曜日は朝寝坊』
                   文科省調ボランティア希望わずか
 中高生の多くが、4月からの完全学校週5日制で休みになる土曜日を「ゆっくり寝て過ごしたい」と考えていることが31日、文部科学省の調査で分かった。ボランティアヘの参加希望は、わずか1〜2%。大人の方は、家の手伝いなどを期待しているが、子どもたちは、増える休みを平日の部活動や塾通いの疲れを取るために充てることになりそうだ。
「毎週休みになる土曜日にしたいこと」を複数回答で尋ねたところ、中2と高2は「ゆっくり休み、ゆっくり寝る」がそれぞれ39%、48%で最多。2位は「映画や買い物など町中へ外出」で、それぞれ37%、45%だった。
 小学3年は「テレビゲームやパソコン」が30%でトップ。2位は「外で友達と遊ぶ」の26%だった。小5では「外遊び」が32%、「テレビゲーム」が29%と順位が入れ替わったがほぼ同じ傾向。ただ、現在の休日の過ごし方で一割前後の「虫捕り、魚釣りなど自然の中へ出かける」が、いずれも6ポイントアップした。
 ボランティアヘの参加希望は小中学生で1%、高校生が2%にとどまり、地域交流への関心は薄い。
 大人が子どもに望む土曜日の過ごし方(複数回答)で多かったのは、「部屋の清掃や家の手伝い」(59%)、「友達と一緒に屋外で遊ぶ」(44%)など。「家でゆっくり過ごしてほしい」と考えているのは2割にも満たなかった。
 完全5日制の実施に伴い、小学校で70時間など、学校での年間授業時間が大幅に減少する。子どもを持つ親に「学力が低下すると思うか」を聞いたところ、「そう思う」「まあそう思う」の合計が44%で、「そう思わない」「あまりそう思わない」の43%をわずかに上回った。ただ、今回の大人の意識調査で「土曜日に学習塾などでしっかり勉強してほしい」とする回答が極めて少なく、同省は「塾通いが過熱する傾向にはならない」と分析する。

調査の方法
 昨年9〜10月、全国の公立293校の小3、小5、中2、高2の計約1万8千人と、20歳以上80歳未満の男女約1800人の回答を分析した。

   中2いじめ自殺  「学校側は予見可能」
          神奈川・津久井 東京高裁も賠償命令
 神奈川県津久井町で1994年、町立中野中学2年の平野洋君(当時14)が自殺したのは学校でのいじめが原因だったとして、両親が県、町と当時の同級生9人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。奥山興悦裁判長は、「学校側はいじめが継続すれば自殺など重大な結果を招く恐れがあると予見可能だった」とし「て、県と町に計約2150万円の支払いを命じた。
 同級生らには賠償金のうち計百二十万円を負担するよう命じた。
 両親の代理人によると、いじめをめぐる訴訟の高裁段階で、自殺の予見可能性が認められたのは初めてとみられる。ただ、奥山裁判長は「洋君は、いじめられていることを両親や担任教師に打ち明けず、両親も注意監督を怠った」として過失相殺を認め、賠償額を一審(計約4100万円)より減額した。
 判決によると、洋君は94年4月に転校した直後からいじめられるようになり、7月、机にマーガリンを塗られた日に自宅で首つり自殺した。学校は、自殺当日のいじめについて、両親に報告していなかった。

 小森良治・神奈川県教育長の話
 判決の趣旨を生かし、関係機関への指導をしっかりと行っていきたい。