神奈川県高等学校教育会館

『普通高校での聴覚障害児への支援についての研究』

聴覚障害児への支援を考える会
 大野 晶(大和南高校)

■普通高校での聴覚障害児への支援体制
 現在、推定で10名前後の聴覚障害児が普通高校に通学している。聴覚障害児への支援の体制は、基本的に3つのタイプに分けられる。
  1. 自助努力によるもの
    取り出し授業も、要約筆記も行わず、本人の自助努力にまかせている。

  2. 取り出し授業での対応
    2-1 英語などごく限られた科目で取り出し授業。要約筆記なし。
    2-2 半分以上の科目で取り出し授業。要約筆記なし。

  3. 要約筆記による対応
     聴覚障害児への情報保障、学力保障のために、要約筆記は欠かすことが出来ない。体育などでは、安全を保障するためにも、要約筆記は必要となる。
     英語以外のほとんどの授業で要約筆記による支援を行う。
    3-1 ボランティアによる要約筆記
    3-2 教員による要約筆記
     普通高校側には、聴覚障害児が普通高校を希望しているのなら、本人の自助努力で学習を行うべきだとする考えが根強く残っているが、生徒一人一人に対して、きめ細やかな支援を行い、特に障害のある生徒に対しては、必要な支援を行う必要がある。
■大和南高校における聴覚障害の生徒への支援体制
 特別支援委員会を設置し、当該生徒、保護者、ろう学校の時の担任と相談し、英語の授業のみ取り出し授業で行い、他の授業は他の生徒と一緒に受け、専任教員の要約筆記で対応している。

■桜陽高校におけるノートテイクについて
 パソコン要約筆記サークルCANが社会福祉協議会からの依頼を受けて、05年9月から要約筆記を行っている。
 サークルCANが考える情報保障は、聴覚障害を持っていても、普通学級で同じように授業が受けられることを目指している。

 大和南で行われている要約筆記は「3-2 教員による要約筆記」であり、桜陽で行われている要約筆記は「3-1 ボランティアによる要約筆記」である。形態は違うが、両方とも、授業における要約筆記での支援を行っている。統合教育の流れの中で、聴覚障害児に対して要約筆記を行うことが、普通高校でのスタンダードになっていくと思われる。

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