神奈川県高等学校教育会館

支援を必要とする生徒の理解と保健室実践についての研究


生徒理解と保健室実践研究の会
 栗原幸枝(横須賀大津高校)

 生徒の問題や課題が複雑化していく今日において、保健室は子どもたちの健康状態や課題を捉える場として、日々、子どもたちに向き合い受容し一人一人に必要な支援について悩み考ながら動いている。
そこで、他校での実践事例を中心に委員会活動・精神疾患・中途障害・学校事故など様々な視点から保健室での支援についての研究に取り組んだ。

 1年間の研究の中で、生徒理解の方法や子どもたちの問題をキャッチする視点について事例より学び、支援を必要とする際の学校内の連携、目の前の実態だけに振り回されることなく“見通し”をもった支援の必要性について学ぶことができた。

 最近の子どもの自殺に見られる社会の生きづらさを考えるとますます教育環境も困難が予想される。そんな子どもたちが発信するSOSをいち早く捉え、子どもたちの健康・発達を保障していけるように今後も保健室でできる支援について考えていきたい。

テーマ 内容
5月 「仲間とともに学ぶHIV」 “仲間が発信するエイズ教育”という視点で保健委員会が主体となり、講演会を企画したり、性について考える自主制作ビデオを作ったりと、保健委員一人一人が健康のキーパーソンとなり、学校全体の健康認識を高めた活動について学んだ。
6月 「解離性障害の生徒とのかかわり」 校内で暴れ、パニックを起こしてしまう生徒に対する校内支援のあり方について、また経済的な理由で医療機関につなげられない場合の対応について事例をもとに討論し、精神疾患持つ生徒と保健室との関わりについて考えた。
7月 「学校事故・判例について」 ちょっとした怪我や症状、心のサインを読みとれずに重大な事故に発展してしまったケースなどから、保健室での対応を再確認した。生徒の命を守るために何が大切か?討論した。
8月 「性被害にあった生徒の対応」
 「胎内模型を作る」
午前中は、生徒が性被害にあい、保健室で打ち明けてくれたときの対応・支援について討論をした。午後は、紙粘土で立体的な“子宮モデル”を作成し、保健室での指導に役立てるための作業をした。
11月 「神奈川の通信制高校について」 入学した学校があわず「通信制に行きたい」という生徒の訴えが、保健室で聞かれることがあることから、講師の方より神奈川の通信制についての概要や生徒の様子などを聞き、相談を受けた生徒にどんなアドバイスをしていけばいいのか話し合った。
1月 「特別な支援を必要とする生徒の対応について」 在学途中で障害を背負ってしまった生徒への個別支援や学習権の保障のために、学校全体でどのように動いて行けばいいのか?事例をもとに討議した。
3月 「養護教諭の仕事は創り出すもの」 〜ていねいに子どもを見、声をききとることから〜 30年以上養護教諭をなさっている先生を招き、現在までの生徒たちの変遷の様子や養護教諭としてどんな視点で子どもたちに関わってきたのか?様々なケースを例に話を伺った。今後の保健室対応の一つの視点となった。

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