| 神奈川県高等学校教育会館 |
開かれた学校と情報発信 |
| 開かれた学校づくり研究会 綿引光友(相模原高校) |
課題が山積し、さまざまな困難に直面している学校現場において、今日ほど地域にねざし、地域・保護者・生徒から信頼され、地域に開かれた学校づくりが求められている時代はない。私たちは表題にあるような研究テーマを掲げ、とくに学校からの情報発信のあり方の研究とその実践について検討を重ねた。 開かれた学校づくりを推進していく上で、県教委がすすめる「学校へ行こう週間」や学校公開・学校説明会などの実施とともに、学校からの定期的な情報発信が大切と考える。 近年は各校が学校のHPを持ち、それを使った情報発信がおこなわれているが、残念ながら、私たちの勤務する高校の場合、その更新作業が十分といえない状況がある。しかし、それを補って十分すぎるほどに、生徒の有志グループが作成しているHP(通称、「非公式HP」)が学校行事のたびに更新されており、生徒・保護者には好評で、アクセス件数も多数にのぼっている。 ところで本校においては、3年ほど前から全学年において「学年通信」「学年だより」が発行され、一方、総務部(現在は渉外広報グループ)からは「柴胡(さいこ)が原だより」と称する「学校だより」が出されている。後者は中学校向けの広報媒体といえるが、A4サイズで1枚(カラー刷り)であるため、頻繁に発行することはできるが、情報量に限界があった。そこで、さらにパワーアップし、1年間の教育活動の記録をまとめ、いわゆる学校研究紀要(教育活動のまとめ)のような形の冊子にしてみてはどうか、との提案がなされた。 まずは、研究グループから全職員およびグループ・学年に対して投稿の呼びかけがなされた。この1年間に取り組んだそれぞれの実践、研究・調査、総括・反省などをすぐ印刷できるような「版下」として提出してもらい、それらにノンブルをつけ、目次・編集後記をつけ、担当の方で印刷にあたった。それら印刷物を印刷・製本業者さんに依頼し、製本し、表紙をつけてもらい、本文92ページの冊子(成果物)が完成した。 『県相の風』と銘打った冊子には、9本の論稿が収録されている。なかでも圧巻なのは今春卒業生を送り出した学年による、「学年通信」3年間の軌跡を記録した、まさに感動レポート(33ページ)と呼べる労作である。3年間で29号(うち号外が2号)、総ページ(B5で換算)312ページに及んだ膨大な「学年通信」のエッセンスが丹念にまとめられている。しかも生徒編集委員がいて、「生徒の、生徒による、生徒のための学年便り」をめざしたもので、このレポートは、「学年通信」作りのマニュアルとして読むことができる。いざ実践となると、「ここまでは到底出来ない!」と尻込みしてしまうかもしれないが、「学校と家庭をつなぐミニ・メディア」(同レポート)の必要性を十二分に認識することができるだろう。 学校だよりの「柴胡が原だより」に関するレポートのあとには、15号分の実物紙面(A4をB5に縮小)がついているので、今後の参考となると思われる。 巻頭言において校長が、「県立高校の教職員がどんなに素晴らしい教育実践をしているのか、研究・研鑽に努めているのか、尊敬すべき学識を備えているのかを示すことが、高校教育への信頼を勝ち取る重要な一歩であると思います」と述べている。このような取り組み・実践は教職員にとっては過重負担となり、「多忙化」にますます拍車をかけることは必至だが、多くの教職員の協同&協働のちからによって、困難を克服し、開かれた学校づくりを推進するために、各校においてチャレンジしてみてもらえたら幸いである。 |
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