| 神奈川県高等学校教育会館 |
廃棄物の有効利用をテーマとする生徒実習の検討 |
| 平工環境化学系ワーキンググループ 高梨克弘(平塚工科高校) |
平塚工科高等学校は、県立高校改革推進計画に基づき、平成15年、平塚工業高校と平塚西工業技術高校が統合し、新タイプの工業高校として開校した。その際、平塚工業高校の化学科は環境化学系となり、資源のリサイクル・環境に配慮した物質について学習するマテリアルコースと、エネルギー問題・新エネルギーについて学習するエネルギーコースが設置された。 新たに設置された環境化学系では、従前の工業高校の化学系学科の目指す目標とずれがあるため、環境化学系の目的に見合った新たな実習テーマを作らなければならなくなった。 一方、今回取り上げることになった、バイオディーゼル燃料(BDF:Bio Disel Fuel )は、新たなバイオマスエネルギーの一つとして注目を浴びつつあり、このBDFを簡便に製造する実験の報告例もいくつか見つけることができた。 今回、過去の報告例を基に、BDFの製造実習を、本校、環境化学系の新たな実習テーマの一つとして取り上げるための検討を行った。 BDFの製造方法は、いわゆる油脂のエステル交換法を用いた。食用油(植物油、又は植物油の廃油)と水酸化カリウムのメタノール溶液を混ぜ合わせ、約1時間、60℃に保ちながら混合撹拌し、しばらく静置した。その後、反応溶液はエステル層とグリセリン層の2層に別れるので、分液ロートを用いて、エステル層のみを回収した。回収したエステル層をうすい酢酸溶液・水で数回洗い、脱水操作を行った。脱水操作は、減圧濃縮装置(ロータリーエバポレーター)を用いて行った。 これらの操作を行った結果、200mlの食用油から、約150mlのBDFを製造することができた。 得られたBDFの性能評価を行うために、模型用のディーゼルエンジンを利用した。 模型用エンジンの多くはアルコールを燃料として用いているが、ディーゼル燃料を用いるエンジンもいくつか販売している。今回はディーゼル燃料用のエンジンを購入し、製造したBDFでエンジンを動かすことを試みた。 結果、残念なことに、製造したBDFのみで模型用ディーゼルエンジンを動かすことはできなかったが、しかしながら、既存の模型用ディーゼル燃料とBDFを1:1で混ぜ合わせた状態ではエンジンを動かすことが可能だった。 この原因としては、製造したBDFの品質に問題があると考えている。製造したBDFの粘性や引火点などがエンジンを動かすのに十分でなかったか、製造過程で含まれてくる水分を完全に除去することができてなかったことが原因として挙げられる。また、性能評価を行うために使用した模型用エンジンを動かすには、いわゆるコツが必要で、使用した模型用エンジンを思うように扱えなかったことも原因として考えられる。 今後、BDFの品質改良や、始動性に優れたエンジンを購入することで、製造したBDFのみで模型用エンジンを動かせるようし、できるだけ早く生徒向けの実習として導入できるように検討していきたい。 |
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