神奈川県高等学校教育会館

シャトルベクターの開発(酵母を光らせる)

湘南地区組み換えDNA実験グループ
 田中雅彦(相原高校)

1 目的
YEpSUC02ベクター(7133bp)の インベルターゼをコードするSUC2
 遺伝子の下流BglUサイトにGFPを結合してインベルターゼの融合タンパク質とし てGFPを発現させる。すると、一般的には細胞質に取り込まれるはずのインベルター ゼがこの上記ベクターの性質により、細胞膜に局在する性質を利用して肉眼でも認識で きる光る酵母をつくることを目的にした。

2 方法
1)eGFPコーディング配列のPCRによる増幅
eGFPを含むベクターを鋳型として、アッパープライマーとローヤープライマー を用い、PCRにて734bpのeGFPコーディング配列を増幅する。

2)PCR産物の回収
PCR産物をアガロースゲル電気泳動して、eGFPを含むDNA断片を回収
精製する。

3)制限酵素処理
上記DNA断片を制限酵素BglUにて切断する。

4)断片の回収
 アガロースゲル電気泳動にて、制限酵素処理されたDNA断片を回収する。

5)ベクターの調整
ベクターを3)と同様に酵素処理して、断片を回収する

6)ベクターの脱リン酸化
切断されたベクターの両サイドをフォスファターゼにて脱リン酸化する。 

7)PCR産物と脱リン酸化されたベクターをライゲーションする。

8)JM109大腸菌に形質転換させる。

9)コロニーよりPCR産物が正しい位置に挿入されているかどうかを制限酵素
   Nco1にて切断してアガロースゲル電気泳動で確認する。

10)酵母(SEY6210)に形質転換させる。

11)光る酵母の完成

3 概要
 今までキットで形質転換させGFPを発現させて「光る大腸菌」をつくるものは 数社 から販売されてはいるが、10セット(4人1セットとして一クラス分)で1万5千円 から2万円していてなかなか高校現場では購入が難しい。
 ましてや6クラスから8クラスともなるとキットだけでも10万円してしまい経済的に破綻してしまう。
そこで各自が独自に改良を加えて安価に同様の実験を行うシステムの開発を昨年の研究題目にして一定の成果があったものと思われる。

 続いて今年は、原核細胞である大腸菌と真核細胞である酵母の間を、あたかも地球と月を行き来する「スペースシャトル」のように行き来することのできる

「シャトルベクター」を開発することを目的に第1段階として「酵母を光らせる」として実験を行ってきたので報告する。高校現場で不可能な実験については、筑波大学遺伝子実験センターの協力を得て実施した。 
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