(1)

この教育長通知は、1.特色ある学校づくりの推進について、2.新高等学校学習指 導要領について、3.職員会議について、の3項目からなる。その3で、「職員会議については、次の点に留意して運営してください」とあり、「・職員会議は、校長の運営方針や指示事項を伝達したり、所属職員の意見を聞いたり、教職員相互の連絡調整等を行うなどして、校務の円滑な運営を図るために校長を補助するものであること。・職員会議は、校長が招集し、これを主宰すること。・職員会議録については、校長の責任において作成し、保管すること。」と3点におよぶ留意点が列挙されている。

(2) 神奈川県「議会かながわ」NO.74、2000年1月

(3)

千葉県は神奈川よりもさらに早く、2月29日に管理規則の改定を行っている。ただし、千葉にはもともと職員会議に関する規定があり、それを以下のように改定した。しかし埼玉では、千葉と同様、諮問機関としての職員会議規定をもつ管理規則があるが、その改定は9月末日現在、組合との交渉が継続中のため、まだ実現を見ていない。

《改定前》

第58条

学校には、校長の職務を助け、学校の円滑適正な運営を図るため、職員会議を置く。

職員会議は、校長が招集し、校務に関する校長の諮問事項その他の必要事項についての審議及び職員相互の連絡、調整等を行うものとする。

前項に規定するもののほか、職員会議の組織運営について必要な事項は、校長が定める。


《改定後》

第58条

学校には、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置く。

職員会議は、校長が主宰する。

前各項に規定するもののほか、職員会議の組織運営について必要な事項は、校長が定める。

 一方長野では、従来の「学則」(これは今回の改定で「管理規則」と改称)には一切、職員会議に関する規定はなかったが、今回、次のような極めて簡潔な条項が加えられた。「第15条の2 県立高等学校に、職員会議をおく。/2 前項の職員会議に関し必要な事項は、校長が定める。

(4)

「一般権力関係とは、国民が国家の一般統治権の支配に服する関係を言い、その支配は法治主義の原則から法律に基づかなければならないとされる。これに対し、特別権力関係とは、公法上の特別な原因により成立する公権力と国民との特別な法律関係を言い、そこにおいては公権力が包括的な支配権を有し、個々の法律の根拠がなくても特別権力関係に属する私人を包括的に支配できるとする。この場合、公法上の特別な原因には、公務員の勤務関係や児童・生徒の在学関係がある。」(「教育法規あらかると・特別権力関係論」『内外教育』1999年8月27日号)

(5) 杉山宏「資料でたどる勤評闘争(9)」高校教育会館教育研究所『ねざす』NO.25、2000 年4月
(6) 神奈川県教職員組合『討議資料 主任制度化阻止のために』1976年11月

(7)

この交渉には、県教委側から教育長・管理部長・指導部長・総務室長・教職員課長をはじめとした人たちが、さらに組合側からは両教組の委員長・副委員長・書記長・書記次長が参加している。その両者のやりとりは、神奈川県教職員組合編『「管理規則」の見直し 交渉内容の記録』(1977年5月)に、およそ60ページにわたり詳しく記録されている。

(8) 兼子仁『教育法(新版)』有斐閣、1978年
(9) 下村哲夫『校長室の法律学』ぎょうせい、1997年

(10)

『広辞苑』によれば、「召集」は「上級者が下級者を呼び集めること」とあり、「招集」は「まねきあつめること」とある。

(11)

改定された管理運営規則の内容解説にあたる「神奈川県立高等学校の管理運営に関す る規則の運用について」に記された職員会議に関する条項(19の2職員会議)を全文、以下に再録する。

(1)

職員会議は、施行規則第23条の2(施行規則第65条により学校に準用)の規定に基づき、校長がつかさどる校務の円滑な執行を補助するものであることを明確にするため、新たに位置づけたものであること。職員会議は、校長を中心に職員が一致協力して教育活動を展開するため、学校運営に関する校長の方針や教育課題への対応方策についての共通理解を深めたり、職員間の情報交換や意思疎通を図るとともに、職員の資質や能力を高める上でも重要な役割を果たすものであることから、各学校に置くこととしたものであること。学校の管理運営に関する校長の権限と責任については、法第28条第3項(法第51条により学校に準用)において、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する」と規定されており、校務に関する最終的な決定権は校長にあることから、職員会議における議事は校長の意思決定を拘束するものではないこと。校長は、こうしたことを踏まえた上で、日ごろから職員との円滑なコミュニケーションを保つとともに、職員会議における職員の建設的な意見を参考に、学校運営の円滑化・活性化が図られるように努めるものであること。

(2)

校長は、職員会議を招集し、運営する等必要な一切の処置をとる権限を有するものであること。このことは、校長は、自ら議事進行にあたることができるほか、教頭等に命じて議事進行を行わせ、又は、職員会議の開催準備や会議録の作成等について職員をその任にあたらせるなど、職員会議の主宰者として、必要な指示を職員に行うことがで きるものであること。

(3)

職員会議においては、学校の運営方針、教育活動、生徒の指導管理、施設・設備の保全管理などのうちから、校長が必要と認めるものについて、校長から指示伝達し、職員の意見を聞き、又は職員相互の意見交換・連絡調整等を行うものであること。校長は、教員以外の職員も含めて関係するすべての職員を職員会議に参加させることができるものであること。
(4)校長は、職員会議の開催日、招集手続、議事の進行、会議録の作成等に関し必要な規定を整備するものであること。

(12) 愛知県高等学校教職員組合・愛高教白書検討委員会『98愛知の高校教育白書』1998年

(13)

神田修「学校管理権の教育法的検討──学校の自治保障のあり方──」『山梨学院大学「法学論集」』第45号、2000年5月

(14) 神田修・兼子仁編著『ホーンブック教育法』北樹出版、1995年

(15)

前野裕「『日の丸・君が代』強制の20年が福岡県から何を奪ったか」(藤本卓編著『公論よ起これ!「日の丸・君が代」』太郎次郎社、1999年、所収)

(16) 渡辺治「財界の教育要求と教職員組合運動」『季刊・エデュカス』第28号、2000年4月
(17) 前掲書(13)

(18)

省令改正→管理規則改定の例として、教頭制や主任制の導入などがよく知られている。しかも教頭法制化のように、省令(行政立法)で既成事実を積み上げ、これを橋頭堡に法律(学校教育法)改正を図るとの手法が過去にはある。このことから、省令どまりの主任制や職員会議が将来的に「法制化」される余地は十分にあると考えられる。

(19)

神田修「管理職の指導性が問われる──開かれた学校の自治と管理職のあり方──」『季刊・教育法』第96号、1994年3月

(20) 浦野東洋一「今なぜ学校管理運営の改革か」『高校のひろば』第36号、2000年6月