編 集 後 記


■ 2012年から始めた 「教員の意識調査」 もやっと最終報告をまとめることができた。 いま神奈川県の高校現場では急速に世代交代も進んでいる。 毎年多くの教員が退職の年を迎えて職場を去り、 かわって若い教員が次々に職場に加わってくる。 これにより教育現場の年齢構成は変わり、 職員室の空気も変化していく。 意識調査からは、 年齢の異なる教員間の意識の違いが見えてきた。 しかし同時に、 年齢が異なっていても共通の意識があることも、 調査から読み取ることができた。 一概に決めつけることはできない。 また、 それぞれの教員が抱える問題、 いだく意識は複雑である。 冷静にていねいに見ていかなければならない。 そう考えると今回の調査には不十分な点が多々あった。 そもそもこの調査は教科教員に限った調査になっていた。 学校という職場は、 養護教員、 実習教員、 事務職、 司書、 技能員など、 教科教員以外の様々な仕事にたずさわる教職員がいてなりたっている。 すぐにはできなくとも、 教科教員以外へも調査を拡大していく必要がある。
■ 夏に開いた公開研究会の報告を二つ目の特集としてまとめた。 公開研究会では子どもの貧困の拡大とそれに対応した施策の問題に目を向けた。 問題は大きい。 とても一回の研究会で議論できるものではない。 だが後回しにできる問題でもない。 ともかく手がかりをつかみたいという思いで開いた研究会であった。 それなりの成果はあったと思う。 問題はこれからの研究所のとりくみである。 教員の意識調査とあわせて、 息の長い取り組みが必要な課題である。
■ 2013年 2 月、 新しい制度で神奈川県の高校入試はおこなわれた。 高校入試についての小さな特集を組んでみた。 ただし始まったばかりの入試について、 しかもその渦中にいながら書くのは難しいだろう。 それを承知で執筆をお願いした。 無理はあったと思うが、 今後の検証の手がかりになればと思う。
■ 学校から学校へ、 読者のページ、 いずれも貴重な原稿を寄せていただいた。 さまざまなとりくみについて現場は知っていかなければならないだろう。 研究所が紹介できる実践はわずかでしかない。 それでも現場ではたらく人たちが視野を広げる手助けになればと願う。 今号の読者のページの書き手は学生と若手の教員である。 若い人たちが思いを伝える機会になり、 また若い人が何を思うかを考える機会になればと願う。
■ 今号をもって閉じる連載企画がある。 「映画に観る教育と社会」 である。 十年間書き続けていただいた。 調査や論考だけではなく、 文化的な企画も欲しいものである。 そんな思いから、 この企画もはじまった。 とはいえ連載はいつか閉じなければならない。 第20回を区切りとして最終回とすることになった。
■ 残る連載は海外の教育情報である。 こちらは主としてイギリスの新聞記事の内容を伝え、 それに論評を加えていただくという、 なかなか手間のかかる企画である。 国内の教育事情も急速に変化していく。 だがその多くはじつは海外ですでにおこっていることであったりする。 それを教えてくれるのがこの企画である。
■ さて編集者としては前任者から引き継いで、 多少慣れてきたと言いたいところであるが、 実際にはなかなか難しい。 読者の皆様の寛恕とご協力を願うとしか言いようがない。 とくに積極的なご意見をぜひ賜りたいと思う。

(本間正吾)



ねざす No52 2013年10月30日発行

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