編 集 後 記

■今号の特集は 「ゆらぐ教員世界」 である。 昨年の11月にこのテーマでおこなった教育討論集会の講演と寄せられた感想、 討論を補う論考、 報告で構成している。 「ゆらぐ」 という言い方を使ったが、 その意味するところは単純ではない。 たしかに教員世界を取り巻く環境は大きく変わり、 個々の教員がおかれてる状況も大きく変わっている。 しかし教員の世界そのものはこれまでと大きく変わることなく、 旧態依然として続いているようにも見える。 だから変わらなければならないといわれる。 だが、 ただ周りの世界にあわせて変わればすむのか。 そんなにかんたんではない。 そこに戸惑いがあり、 悩みがあり、 抵抗がある。 今回は中間的な報告にとどまった 「教員の意識調査」 の数字にも現場の教員のそうした悩みや戸惑いがあらわれていると思う。 あるいは寄せられた感想からもそうした思いが伝わってくる。 「ゆらぐ教員世界」 の分析は、 これからも当研究所が追求していかなければならない大きな課題のひとつである。

■「寄稿」 「学校から・学校へ」 に寄せられた文章は、 いずれも神奈川の高校現場で長く働いてきた方々が書いたものである。 運動部の活動にかかわる問題は前号でも特集としてとりあげたものである。 また図書館にかかわる問題はけっして見落としてはならないことがらである。 そして沖縄の平和学習。 いずれも長くこれらの問題にかかわってとりくんできた方が書いたものである。 そこには重みがある。 他方で読者のページに寄せられた文章など若い人が書いてくれたものがある。 若手の視点がこれからもっと必要である。 この 「ねざす」 が世代を超えた書き手が集う場所になればと夢描きたくなる。

■通信制高校は49号の特集のテーマであった。 この特集と 「高校改革推進計画」 についての検証を補うものとして、 今号に 「通信制高校の座標点」 という論考を寄せてもらうことができた。 これからも定時制や通信制につねに注意を向けていく必要があるだろう。

■海外の教育情報の紹介が始まったとき、 その内容にはしばしば驚かされた。 だが今はさして驚くこともない。 国内で起こっていることが、 すでに国際規格に追いついてしまったように思う。 それだけにこれまで以上に冷静に注意深く海外の状況は見ていかなければならないのだろう。 そしてまた 「映画に見る教育と社会」 も長く続いている企画である。 教育の問題は多様な視座から見ていかなければならない。 その意味で長く続けてきた価値があったと思う。

■この様なことを書いている編集者、 本間はこの3月で定年の時を迎え、 神奈川県の高校教員の職を退くこととなった。 そしてこれまで特別研究員であった永田さんから、 この 「ねざす」 編集などの仕事を引き継ぐことになった。 ていねいな仕事を積み重ねてきた永田さんの後を引き継ぐのは気が重いが、 微力ながらも何とか責任をはたしていきたいと思う。

(本間正吾)



ねざす No51 2013年5月31日発行

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