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教師になるために

鈴木 優太

はじめに
 私は、 今年の 3 月に四年制の大学を卒業しました。 4 月からは通信制の大学に通い、 小学校の免許を取得すべく、 現在、 勉強中です。
 4 年制大学では余念なく、 中学校の社会、 高等学校の地理歴史と公民の教員免許を取得しました。 しかし、 大学時代の出来事を契機に、 進路変更をしました。
 本稿は、 「今までの学びの中で」 と 「これからの学びの中で」 の 2 本立てになっています。 「今までの学びの中で」 では、 4 年間の大学生活で学んだことを、 簡単にまとめました。 一方 「これからの学びの中で」 は、 今後、 教師になるために、 これからどのような活動をしていくのか、 自分自身で考えたことを記してあります。

1. 今までの学びの中で
 4 年間の大学生活では、 様々な出会いがあり、 自分の中でも様々な変化がありました。
 私は、 大学入学時、 高校の恩師の影響で、 大学に入学しました。 今でもその影響は、 私の中に残っていると思います。 大学入学当時は、 高校の教師になることしか考えていない、 一人の学生でした。
 しかし、 その思いは、 途中で変わります。 大学で出会った先生方の話しを聞くたびに、 徐々に小学校の教師に魅力を感じるようになりました。
 その大きな契機となったのは、 大学 3 年生の時に経験した小学校訪問でした。 この出来事以前までは、 小学校に興味を持っていませんでした。 しかし、 児童ができないながら、 懸命に何か物事に取り組んでいる姿に心を動かされました。
 その後、 大学 4 年生では、 教育実習に行く時期になり、 私は、 神奈川県の高等学校で実習を行いました。 この実習では、 教えることの難しさを実感させられました。
 ところが、 私の受け持ったクラスは高校 3 年生で、 珍しいケースでした。 3 年生は、 午前中が終われば、 大方下校になります。 また、 受験を意識した教育をするため、 少しほろ苦い経験もしました。
 生徒との交流は、 放課後にたくさん話すことで解消されました。 しかし、 生徒の思考力を重視した学びは、 受験を意識した学習では難しいと感じさせられました。
 この実習は、 私の小学校への意思をより強くさせるものになりました。 児童のできないことができるように手助けし、 児童自身が目で見て、 体験して、 考える授業づくりができるように、 これからの学びにつなげています。

2. これからの学びの中で
 前述したように、 現在、 私は通信教育で小学校免許の取得を目指しています。 通信教育では、 レポート学習を基礎に、 スクーリングや試験をこなし、 単位を取得していきます。
 この学習で、 私は、 大学時代に知らなかった教育事情を知る機会にもなりました。 教育課程編成や様々な教育方法など、 まだまだ知らないことに痛感させられました。 特に、 中学校の社会と高校の地理歴史、 公民の免許しか持っていない私が、 音楽や図画工作、 体育などの教科を学んだ際、 懐かしさと新鮮さの一方で、 実際に教育現場に行ったときに教えられるのか、 不安な気持ちになりました。
 そうした不安な気持ちを解消できるように、 自分が、 今何を学ぶべきなのか、 しっかりと前と後ろを向きながら考えています。 よく 「前を向け、 後ろは見るな」 と言われますが、 私は、 過去を振り返った上で、 しっかりとこれからの計画を立てて、 不安を解消していきたいです。 そうしたときに、 上を見ながら、 時には転ばないように下も見て、 あるときは左右から自分を見て、 今どうあるべきか自分で考え、 しっかりと周りを見られる教員になれるよう、 これからは準備をしていきます。
 しかし、 こうして学んできたことも、 教員になってからの研修で覆されることもあると思います。 また、 研修では教えてくれないこと、 自分が教員をやりながら、 学ぶことも多くあると考えています。
 そうしたとき、 私は、 しっかりとした我を持ちながらも、 柔軟に対応できる人間でありたいと考えています。 このことをベースにして、 私は、 学力のある教員はもちろんのこと、 児童理解や保護者対応など、 さまざまな場面で活躍できる教員になりたいです。

おわりに
 この原稿を記している時期は、 ちょうど夏のスクーリングの時期になります。 私の家から通信教育の学校まで 2 時間30分程度の道のりです。 朝は、 大体、 4 時30分から 5 時に起床して、 6 時に家を出る生活です。 ある意味、 教員になったときの、 訓練だと思って、 自分自身を鼓舞させて通っています。 これもある意味で、 これからの学びの中だと思っています。
 しかし、 あるとき、 ふと思い出したことがあります。 JRAの騎手候補生は、 夏になると 4 時30分に起床し、 5 時から馬にまたがり調教をしていることを。 私も、 小学校、 中学校のときに少しあこがれた騎手の卵と同じ時間に起き、 活動していると思うと、 少し士気も上がり 「やってやるぞ」 という気持ちになります。
 私は原稿の作成過程で、 今までの自分、 これから自分がどうあるべきなのか、 しっかり後ろと前を見ることができました。 これも、 私にとって、 これからの学びになります。
   
 (すずき ゆうた 國學院大學)


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